作家(小説家)はライターよりも格上なのか?(1)
はあちゅうという女性が「私はライターではなく作家」と発言。炎上した。一般的には作家といえば小説家のことで、ライターではない。ライターのはあちゅうが、作家を名乗るのは肩書詐称だ。日本語の用い方として、間違っている。
はあちゅうは経歴詐称して炎上したわけだが、同時に小説を書いてもいないのに「ライターではなく作家」と主張したことによって、小説家のほうがライターよりも格上の存在であるとみなしている様子もうかがえ、さらに炎上に拍車をかけた。
ま、小説家の方が作家よりも格上ってゆう無言の空気はあるにはあるわな。
とはいえ、実際に作家(小説家)のほうがライターよりは格上かというと、そうとも言えない。売れない芥川賞作家の場合、単行本の初版部数は3千部で増刷なしということは普通にある。
3千冊以下しか自分の小説を売れない人物でも、一応は作家なのだ。それも芥川賞作家なのである。
はあちゅうという女性ライターが実売どれくらいのライターなのか、私は知らない。知らないが彼女はネットで有名なので、売れてそうなライターとボンヤリと考えている。はあちゅうの単行本は3千部以上は売れてそうだ。
てことは、売れない芥川賞作家よりも、はあちゅうのほうが既に格上なのでは?
作家であろうが、ライターだろうが、売れてるか否かが一番だいじ。数字を持ってるほうが勝者だ。そう考えてくと、既にはあちゅうの方が勝ってるのだから、格上なのだと私は考えてしまう。
他の売れてそうなライターで、荻上チキや吉田豪なんてのがいたりする。実売がどれくらいは知らないが、ボンヤリと初版7千部からスタートして、3万部以下くらいが実売ではないかと勝手に妄想してしまうわけだ。
むろん、単行本によっては5万部前後に達するものもありそうな気がするが、平均スコアとしては1万部以上の3万部以下くらいではないかなあ。
3千部どまりの芥川賞作家と比較して10倍の単行本売上があるとしたら、そりゃ作家よりも格上のライターって沢山いそうだ。実売部数や読者の数を比較したら、作家よりも格上のライターはナンボでもいる。
年収を比較するとどうか?
作家にせよライターにせよ、年収500万円を超えるのはなかなか難しい。もちろん年収500万を超えてる書き手は大勢いるが、年収1千万を突破している作家やライターはほとんどいない。
でも朝日新聞の新聞記者(正社員)などは、普通に年収1千万は40歳くらいで普通に超えてそうである。てことは年収で比較した場合は、作家やライターよりも新聞記者のほうが2倍近くは格上ではないかと私は考えてしまうわけだ。
単行本の売れ行きや年収で、職業の格を決めてしまうのは単純すぎる。
だけど私がここで強調したいのは、しょっぱい作家よりは、よっぽど良質な単行本を出しているライターは沢山いるし、多くの読者に支持されてるライターも山ほどいるということなのだ。
格というものは、肩書で決めるものではない。
実績で決めるものだ。
そんな風に私は考えてしまう。売れない作家よりは、売れてるライターの方がえらい。そして売れてないライターよりも、売れてる作家の方がえらい。
つい私はそう考えてしまう。
(次回に続く)