ケープタウン(1)

 ケープタウンを鑑賞。

 普通にアクション映画として面白いのでは? 追跡シーンなど臨場感があり、ハラハラさせられた。


 ●イケメン白人警官よりも、黒人警官の方が光る

 オーランド・ブルームが演じる、退廃したイケメン白人警官は、わりとどうでもいい。よくある主人公だ。美人の元嫁と離婚。子供とはうまくいってない。でもナンパしてる女とちょいちょいセックスはしてる。よくあるキャラクターだ。

 光るのはフォレスト・ウィティカー演じる黒人警官。いつも泣き出しそうな顔をしていて、悩める主人公なのである。

 子供の頃に重傷を負い、女性とコミュニケーションがとれなくなっているのだ。おそらく家庭をもち、平凡な幸せを強く求めている男なのである。だが、重傷のせいで、できない。

 ブス黒人女性の家に定期的に通い、セックス的な何かをして金を渡している。売春してる風ではあるのだが、黒人警官的には売春したいわけではないのだ。

 たぶん彼女を普通に愛しており、本当なら結婚くらいはしたいのである。しかし過去の重傷により、彼女を幸せにできないので、惚れてしまう自分を止めるために、あえて金を渡してるのである。

 俺はお前の身体にしか興味がないんだよ。

 そんな風に自分と彼女に、言い聞かせているのである。そしてもちろん金を渡すのは、彼の優しさでもあるのだ。男として彼女に、何かしてやりたいのだ。セックスで満足させることもできない、後ろめたさもあるわけで。

 後に胸の大きいグラドル体型のダンサーが登場する。たいそうな美人で黒人警官は心をひかれる。その後でブス黒人と別れようとするのだが、他に気になる女ができたから別れるわけではないのだ。

 これ以上、お互いが好きになってしまうのはマズいから、黒人警官が身をひいたのである。このあたり、泣ける。