加納典譲さんのこと(2)

 加納典明さん(以下、敬称略)の人物像には3つの側面がある。

 

 1.オラオラキャラがウリなので、オラオラを演じる側面。

 2.演じてはいないが、オラオラな側面。

 3.社会人として常識のあるオラオラではない側面。

 

 まず忘れてはならないが、加納典明は常識人だ。普段からオラオラしていては仕事にならないし、撮影現場でもニコニコしてなければモデルの女のコがいい表情にならない。

 エロ写真だから、モデルとはいえ女性はヘコみがち。だから余計に撮影現場では、なごやかないい雰囲気をつくらねばならない。

 

 加納典明「脚ちょっと開いてもらえるかな(ニコニコ)」

 モデル 「こんな感じですか?(ニコニコ)」

 加納典明「いいねえ。カシャカシャ」

 

 かくして大股開きのどエロ写真が撮影されてしまうわけだ。もちろんマンコはまる見え。しかしマンコは誌面には掲載されないけれど。

 トータルな印象として「ちょっとエッチだけど優しいオジさん」くらいの雰囲気の人物をイメージしてもらえるとわかりやすいのではないかと。基本モードはそうなのである。

 アシスタントに車を運転させながら、後部座席でモデルとセックスなんて武勇伝をネットで読んだが(盛るなあ。そんな話は嘘だろ)、仮にそんな事実があったとする。普段からフレンドリーでモデルと良好な人間関係がつくれてるからそんなことができるわけでな、普段から無意味にオラオラしてるわけではない。

 某女優とつきあってたこともあるらしいが(写真週刊誌に載ってたな)、それもフレンドリーな人格あってこその話。オラオラしてたら、ヤレる女もヤレなくなりますよ。

 

 3.社会人として常識のあるオラオラではない側面。 

 

 ……が、際立っているわけである。

 あくまで加納典明は常識人なのだ。

 しかも仕事ができる。

 だからこそカメラマンアシスタント出身の男から、「ウチの師匠(加納典明のこと)はいい人なんですよ。普段はニコニコしてるし、弟子思いだし。自立してカメラマンになってから、ウチの師匠に習った事は全て役立ってますもん」なんて言われるわけだ。

 だから実子の加納典譲ふくめ、私が仕事した加納典明のアシスタント出身の3人は皆が仕事ができた。

 しかし自分の仕事に厳しくなければ一流にはなれないし、弟子の育成も厳しくやらなければ弟子は一人前にはなれない。だから先ほどのカメラマンはこうも言った。

 「典明さんのアシスタントやって、ド根性が身につきました」

 ま、こんなことを弟子が言うくらいだから、仕事は相当に厳しかったわけである。そのおかげでカメラマンとして独立できたわけだが、それでもやはりツラいものはツラい。

 どうも弟子たちの話を総合するに、アシスタントがヌルい仕事をした場合、激怒して鉄拳制裁する時があったらしいのである。ところが私が接した3人の人物のうち2人は殴られたことはないらしい。

 では誰を殴ったのか?

 残る1人である。

 実子の加納典譲なのだ。

 それをアシスタント出身の男が、雑談の中でポロリと漏らしたのだ。

 私は衝撃だった。

 加納典明は実の息子を殴るのか……と。

 

 2.演じてはいないが、オラオラな側面。

 

 前述した2の部分が、ここでグンとクローズアップされるわけである。

 

 (続く)