HIGH & LOW THE MOVIE THE RED RAIN

 HIGH & LOW THE MOVIE THE RED RAINを鑑賞。

 安易に半裸にならない、着衣の男性のカッコよさを追求。ホモっぽくないノンケ男性だけを登場させ、男どうしの関係性をベタベタさせずにさらりと描く。腐女子に媚びないつくりが好印象。

 前作同様の印象を受けた。

 エンディングでTAKAHIROと登坂広臣が仲良さそうにしているシーンがあるが、そこも子供の兄弟がごく普通に仲良くしてるだけであった。ゲイっぽくはない。

 これはこれで、良いものである。

 拳銃やマシンガンで武装したヤクザ軍団と戦っているのに、銃を使わないのは不自然だ。だがヤンキー喧嘩ものとして存在するためには、あくまで拳で闘わなければならない。企画意図がちゃんとしているのは、好印象である。

 銃を使わないのは、変だなあとは感じるけれど。違和感がなくなることは、ないよねえ。


 ●バイクをカッコいいものとして描く、今どき珍しい映画

 バイクがカッコいいものとして描かれる、今どき珍しい映画ではないかと思った。暴走族マンガなら、やたらとバイクが出てくる。だけど喧嘩ヤンキー漫画ってあんまりバイクが出てこない印象があるのだ。

 チャンピオン系のヤンキー漫画でも、あんまバイクには乗ってないんじゃないだろうか?

 私が子供だったころ、70年代から80年代にかけては、バイクというのが特別にカッコいいものだったのだ。なんだか自分たちを強くしてくれたり、自由にしてくれたり、行動関係を広げてくれるもののように思えたのである。

 だからこそ仮面ライダーという作品が誕生したのだ。

 バイクに乗っている男というのは、無条件にカッコよかったのだ。その延長線上に暴走族も存在したのだと思う。

 しかし今はバイクは、特別にカッコいいものではない。

 カッコいいのだけれど、普通なのである。

 フツー。

 オッサンの私にとっては、ちとさびしさを感じてもいたのだ。だが本作ではバイクが無条件にカッコいいものとして描かれるのである。懐かしくもあり、うれしくもある。


 ●前作ととてもよく似たつくりの映画

 実は前作と本作は、物語のつくりが良く似ている。とても尊敬している一人の男がいて、彼が姿を消す。とても大切に思っているので探してしまうが、理解不可能な行動ばかりをしている。謎なのだ。

 そしてその謎が伏線になる。

 物語終盤で彼の行動の謎が解かれ、そこから大盛り上がり大会の喧嘩バトルが始まり大団円。そんなよくできた作品なのだ。