HIGH & LOW THE MOVIE (1)

 HIGH & LOW THE MOVIEを鑑賞。

 ヤンキー喧嘩ものというジャンルがあると思うのだ。ヤンキーの喧嘩を描いた娯楽作品とゆう、ぼんやりした認識でいいと思う。

 そんな作品群の中での、傑作のひとつだろう。

 出演するのはEXILEと三代目Jソウルブラザーズの面々。ダンスで鍛えているので、身体は動くしリズム感もある。アクションや、喧嘩バトルのシーンを、想像してたよりもはるかに高いレベルでこなしてしまうのだ。

 ラップやダンスのシーンも、それを職業にしてる連中がやってるから、カッコいい映像になっている。今どきのヤンキーや不良に、こんなのがいても不自然ではないと思わせてしまう。

 くわえて、そのファッション。地方DQN層というのだろうか? 彼らのファッションシーンをリードするEXILEだから、衣装もばっちりと着こなせてしまっているのである。

 トータルな印象として、お洒落でカッコいいヤンキー的な若い男が、大暴れする痛快娯楽大作となっている。女性にはたまらない作品である。

 文句のつけようのない作品なんだが、しかし、そうなってしまうと取り残されてしまう人種がいるのである。

 中年男性たちだ。


 ●AKIRAさんにオッサンの希望を見た

 お洒落な若者が喧嘩バトル。ひたすら面白く、カッコいいわけだが、そんなものを見てるとオッサンの私としては、置いてけぼりにされた気分になり、孤独を感じてしまった。

 なんかもう、若けぇヤツらには勝てねえと、ひしひし感じてしまうのだ。しかも自分が若かった頃ですら、こうではなかったよなあ……と、しみじみしてしまうのである。

 勝ち組 → EXILE

 負け組 → 私

 こんな図式が脳裏にうかんでしまい、つらい現実から逃避するために映画を見ていたはずなのに、映画のせいで嫌な現実に叩き落されてしまうのである。

 ちくしょう、ヤケ酒がすすむなあ……。

 涙目で液晶画面を眺めながら、アルコール度数25度の甲類焼酎を痛飲してしまうわけだ。

 若くてカッコいい男たちが大暴れするのは面白いのだが、中年男性の私が感情移入できるキャラクターがいないのである。面白い映画なんだが、孤独のどん底に叩き落されてしまった。

 イケてる若い男って、なんだか遠すぎる存在なんですよね!

 おぼれる私が藁をつかむようにすがったのが、AKIRAさんであった。彼は中年男性なのである。若くはない。

 しかし長身のスリム体型で手足は長い。喧嘩アクションでの身体のキレも、若い奴らに負けてない。オッサンなのにカラコンはどうかと思うが、AKIRAさんだと似合ってしまう。

 しかもAKIRAさん、若い連中から尊敬されているのだ。

 ダチョウ倶楽部的なポジションではなく、伝説の男として信頼されているのである。老害あつかいされてない。

 自分と同じ中年男性ということで親近感がもてるし、しかも中年男性としてのあるべき姿を体現するAKIRAさん。なんだか希望の星に思えてきて、熱視線を注いでしまった。

 ちなみに六本木でちょこっと遭遇したことあるけど、気さくな素敵な男性でしたよ。オーラもあるし。