ヒメアノ~ル
映画のヒメアノ~ルを鑑賞。
凄惨な暴力シーンがウリだが、ちょっと演出が安易ではないか? 暴力や恐怖が極まった状態なのに、登場人物がどうでもいい小さいことをやってたりするのだ。日本映画でよくある演出である。
でも、飽きたかなあ?
殺されそうになってる女性が、ビニールのヒモを取り出そうとして何度も失敗する演出がある。よくある場面すぎて、またかよ……といった気分だ。
興ざめしてしまう。
映画のラスト20分が密度がすばらしく、ここをもっと膨らますべきだったと感じた。それまでのシーンは、不要かもしれん。職場の先輩のムロツヨシも、正直いらないかも。
創作活動には足し算と引き算が大切だが、ここはバッサリ引き算したくなるところだ。
森田剛がヒロインちゃんに執心しているが、彼女に救いを求めていているのではないか? 単なる性欲や暴力の対象として、ヒロインちゃんを見ているのではないと考えるのである。
あくまで物語構造的にですよ。
イジメに巻き込まれたくない主人公が、森田剛を見捨てた過去があるのだが、それを森田剛が記憶していない。印象的なシーンだが、ここは広げるべきとこじゃないかなあ。
過去の経緯を思い出して森田剛がキレたり、あるいは森田は主人公にイジメから助けて欲しかったのに、そうしてくれなかったことを恨んでいたり、色々と広げられる気がした。
ここは足し算するところである。
ラスト、森田剛が人間性を取り戻すシーンがあるが、きっかけになるのがソフトバンクのCMに登場する白い犬ってどうなの? ベタベタすぎてひいてしまうが、これくらいわかりやすい方が観客に伝わるのではないかとも考えてしまう。
なんか、色々と考えさせられた。