探偵はバーにいる
探偵はバーにいる、を鑑賞。
この時代にハードボイルド映画をつくるという意欲に感心した。ありがたいことである。
とはいえ画面があまりに80年代の探偵ドラマなのはいかがなものか? 懐かしの松田優作の「探偵物語」をついつい思い出してしまうのだ。
主演の大泉洋が、がんばってるのはわかる。しかし画面があまりに80年代探偵ドラマ調なので、ついつい「松田優作が演じたら、もっと凄いのになあ……」「この役、柴田恭兵じゃダメなの?」と、ついつい考えてしまう。
松田優作の嫡男の松田龍平が脇役で出演しているが、これはオマージュなのだろうか? いっそ主演で登場し、父親越えする演技を見せて欲しいのだが……。
衝撃的だったのはヒロイン役で登場する小雪。
キャバクラのホステス役で登場する。ロングヘアのいい女っぷりはさすがなんだが、どうしても萬田久子感が漂ってしまう。むしろ篠ひろ子の方が良かったのでは? いや、それとも懐かしのダブル浅野か……。
いかせん画面が80年代だから、ついつい昭和のロングヘア女優をイメージしてしまう。懐かしい画面には、懐かしい女優が似合う気がしてしまうのだ。既視感がすごすぎとゆうか。
いまどきの若い映画ファンはそんなこと考えないのだろうが、オッサンの私はついついそんなことを考えてしまう。これが老害の入口なのだろうか?
さて、特筆すべきは北海道とススキノの風景だ。
80年代の探偵ドラマが描かれるのは、東京や横浜の風景の中でだった。松田優作や柴田恭兵や舘ひろしは、それらの街の中で輝いた役者だったのである。
ところが本作の舞台は北国の街、ススキノ。東京や横浜と違い、非常に新鮮なのである。歓楽街もあるゆえに、ハードボイルドも映える。
この街で展開する探偵モノを、また見たい気にさせられた。
ぜひシリーズ化を希望したい。