アダルトビデオがなくなる日(5)

 アダルトビデオのカリスマブロガー的な人物がいて、「松沢呉一は暴力集団のしばき隊じゃないか!」と激しく批判している。

 事実誤認ではないか。

 確かに一時期は活動を共にしていたが、厳密な意味ではしばき隊の構成員ではなかった。しかもある時期から距離を置き始め、今はむしろ敵対的ですらある。

 しかし……だ。

 リンチ事件まで起こして裁判にまでなってる団体の、構成員ではなかったにせよ構成員とみなして問題ないレベルで深入りしてたのは動かしようのない事実だ。

 そんな人物にAVを擁護する論陣をはられても、それはそれで周囲に与える印象がよろしくないのである。

 「半グレ監督に、元暴力集団構成員、そして性犯罪夫婦がご高説。まさに今日も反省の色なし。こんなAV業界、つぶすしかないわね」

 ……なんて女性たちに思われてもしかたがない。

 松沢呉一に同情の余地があるのも認めるし、反省してる様子も見える。しかし現状ではしばき隊から距離を置いただけで、別にしばき隊批判してるわけでもない中途半端な状態だ。

 しばき隊に深入りするという軽率な行為をしてしまったのは事実。

 そんな人物が市井のブロガーに「貴様、しばき隊だな!」と批判されても、しかたがないのだ。ただでさえアダルトビデオ業界は世間から白眼視されてるのに、それを暴力集団の構成員が擁護していたのでは、さらに反感をかうだけ。むしろ逆効果だ。

 みそぎも済んでないのに、本件にいっちょかみすべきではないと釘を刺したい。

 松沢呉一も仕事が少なくて暇なのは同情している。風俗嬢にクンニをするような気安さで本件を「ちょいとひとナメ」したくなるのも理解する。

 しかし、周囲の印象を悪くするだけで、逆効果ではなかろうか。

 しばき隊に深入りした時のような軽率さは捨て、慎重な行動と発言を求めたいのである。

 あと、意外と大切なのがAVファンたちで、下手するとAVが消滅するかもしれない状況下なので、あまりにも状況を把握できてない発言や、敵対的にすぎる発言、やみくもな批判は慎むべきだろう。

 世論をつくるのは、IPPAやAVANなどではなく、SNSで情報発信しているあなたたちなのだから。

 某カリスマブロガーはやみくもにIPPAとAVANを批判していて、怒る気持ちは確かにわかるが、批判ばっかりしても生産性がない。

 むろん私も長々とこうしてブログで批判してきたわけだが、要約すると「世間に対する印象を、もっと良くすべき」ということに尽きる。ここさえ修正してくれれば、IPPAとAVANのやってることは、全て善であるとすら考える。

 あくまで私のスタンスは、総論賛成一点反対というものにすぎないのだ。

 この文章を読んでくださった方々には、逆ギレすることなく私の真意をくみとっていただきたいとお願いする次第である。

 (続く)