アダルトビデオがなくなる日(4)

 川奈まり子の夫はAV監督。ハメ撮りもやる。ということは、彼は撮影目的で非合法な売春をやってる、性犯罪者なのである。

 そんな性犯罪者夫婦がAVANやIPPAでしゃしゃり出てるわけで、女性警官や女性議員は怒りをこらえるので大変だろう。

 性犯罪やらかしといて反省の色がなく、しかも再犯する気まんまん。そもそも売春が悪いことという認識すらゼロなのに、えらそうに講釈たれてやがるのだから。

 ただでさえ印象が良くない溜池ゴローなのに、彼がAV出演強要したと告発までされてしまった。

 言わんこっちゃない……。

 私は頭をかかえた。

 AV監督だから叩けばホコリが出るにきまっていて、こうなることは予測できたのだ。なのに何故か、AV業界人だけがそれを予測できないし、しない。これもまたエロぼけの一形態なのかもしれない。

 要件を整理しよう。

 

 1.当該のAV女優は出演に同意してたのだから、AV出演強要ではない。

 2.台本にないプレイを強要されたのだから、プレイ強要と表記すべき。

 3.台本に書いてなかったのは事実だが、溜池ゴローはドッキリ企画と認識。

 

 ……とまあ、こんな状況なわけだ。

 本件に関して溜池ゴローに対して同情的にならざるをえない。

 今までの感覚だと、確かに「ドッキリ企画」ですまされた問題だった。もしモメても、ギャラの上積みで解決できたのである。

 しかしAV出演強要問題がここまで問題視されるようになった現在では、ドッキリ企画は絶対にアウト。時代の移行期間のすきまに、溜池ゴローは落ちてしまったのである。ある意味では不運であり、同情の余地はある。

 しかし今後は認められないし、まず問題になってしまっているので、IPPAに名前を連ねている溜池ゴローは、まず非公式で被害者女性に対して謝罪と反省を伝えるべきだろう。

 そして本人が自腹をきってでもいいから、200万か300万のギャラを上積みし、「今後は本件に関して一切の発言をしない」と書面をとりかわすべきなのだ。責任をとれと私は言いたい。

 ところが私が見る限り、溜池ゴローがそんなことしてる様子はなく、AVが消滅しそうな状態でIPPAに名前をつらねている重鎮として、ありえないほど無責任な態度をとっている。

 問題解決する気がなく、シカトすればなんとかなるとでも考えているのだろう。

 そうゆう問題じゃないですから。

 そして旦那がこんなワケわからんことやってるのに、川奈まり子がそれに釘を刺している気配もない。まさにビデオザワールドのミニコラムのタイトルを引用すれば、

 「エロ夫婦、今日も反省の色なし」

 なのである。

 運も悪かったし同情の余地もある。

 今後もIPPAやAVANで活躍していただきたい。

 しかし、彼らが表舞台に立つのは周囲に与える印象が最悪すぎる。あくまで裏方として名前を出さずに匿名で活躍していただき、表面的にはタッチしていないことにすべきだ。これは川奈まり子も同様である。

 また溜池ゴローはAV監督を引退すべき。

 今後は村西とおるモデルで、匿名ないし別名で作品をリリースすべきではないか。

 現実的な落としどころは、そのへんじゃないかと思うのだ。

 私がもし警察で、本気でAVをつぶす気だったら、溜池ゴロー川奈まり子を夫婦で撮影目的の売春で逮捕する。さらに溜池ゴローはAV出演強要の強姦で逮捕する。夫婦はIPPAとAVANの要職にあり、しかも夫婦でのダブル逮捕だから話題性は充分だ。

 しかもジャンルでいうと性犯罪。

 どういう状況が発生するか、説明しよう。

 エロPTAのオッサンがベトナム少女を殺した事件をネットで見て、「こいつ死刑にできないの?」と怒りがこみあげてる人々の液晶画面に、関連ニュースとして「川奈まり子溜池ゴロー、AV夫婦が売春と強姦容疑でダブル逮捕。証拠は自分たちが出演するアダルト作品」なんてのが表示されてしまうわけだ。

 さらに関連ニュースをクリックすると、「公務員が痴漢で逮捕」「男性中学教師が男子生徒にホモセクハラ」「警官が下着泥棒」などと、次々にヒットしてしまう。

 そうなると印象として、ベトナム少女を殺したクソ野郎と、川奈まり子溜池ゴロー夫婦が、全く同じものとして見えてしまうのである。

 実は全く共通点などないのだが、世論の印象操作としては大成功。そしてこの種のことに強烈に悪い感情を抱くのは、男性ではなく女性のほうだ。そして女性警官や女性議員も例外ではない。

 そして女性たちの反発が、AVを弾圧することになるのである。

 AVANやIPPAで夫婦でやってることには感謝しかない。

 しかし周囲に与える印象が最悪すぎるのと、最も防御が甘くてダメージがデカすぎなのがお二人なので、裏方に徹していただきたいのである。

 そして最後にもう一人、批判しなければならない人物がいる。

 松沢呉一である。

 (続く)