2017年の流行語大賞は忖度なのか?

 忖度と書いて「そんたく」と読む。

 ヤフー辞書によると「他人の心をおしはかること」という意味である。ちなみに検索ランキングは1位であった。2位はインフルエンサー(乃木坂46のCDタイトルからきてるのだろうが……)。2017年4月の日本語状況は、そんな感じみたいである。

 忖度がここまで注目されるまで、私の中での流行語大賞は「強要」であった。一般女性へのAV出演の強要だとか、アイドルへの枕営業の強要だとか、そんな記事をネットでよく見たからである。

 トドメを刺すかのごとく、安倍総理の妻である安倍明恵森友学園の名誉校長への就任を断れなかったと言い出して、総理夫人ですら迷惑なものを強要されて断れないのかと愕然としたわけである。

 一億、総・強要化社会。

 日本女性は常に男性から何かを強要され、しかも彼女たちは断れない。

 日本の社会体制に問題があるのか、あるいは強要してしまう男性が悪いのか、断われない女性の意志の弱さに責任があるのか、原因を1つにしぼりきれない。

 もしかしたら、それらが複合した結果なのかもしれない。

 根本的な解決は、もう無理なのだろう。

 ……で、忖度と強要はワンセットで、現在の日本の状況を反映しているのではないかと感じるのだ。

 女性に何かを強要する男性たちがいて、彼らは女性に「空気は読めるよね?」と迫る。断わりきれない女性は、それに対して「ウチらの気持ちを忖度して!」と悲鳴を上げてるような気がしてしまうのだ。

 かなり昔の流行語に「KY」というのがあった。

 空気(KUUKI)が読め(YOME)ない人物を、省略してKYと呼んでたわけだが、その頃から日本人には空気を読ませて何かを強要しようとする、悪い癖があったわけである。そしてそれが何年たっても、治りそうもない。

 KYから忖度に言葉が変わっただけなのである。

 ひょっとしたら10年後にまた、何かに別の言葉に変わって、KY忖度な問題が日本をにぎわすのだろう。

 ダメだこりゃ。

 あ、こーりゃ、こりゃ。