町山智浩vs山本一郎のバトルは解せなかった

 能年玲奈にレプロの圧力ガー!

 ……と吠える威勢のいい人たちは多いが、「ブラック企業のレプロと違い、滝沢神崎はホワイト」などと明言する人は見たことがない。滝沢神崎がなんだか怪しいことくらい、先刻ご承知のはずだ。

 なのに言及しないでレプロ批判していたのでは、議論が深まらない。

 レプロがブラック企業だったとしても、それよりもさらに暗黒のブラックな滝沢神崎夫婦が爆誕したのでは、事態は解決するどころか、さらにややこしくなっただけだ。

 現状を改善させるどころか、悪化させてどうする?

 能年をめぐるレプロと滝沢神崎のバトルに、私は奇妙なものを感じていた。もっと泥仕合になってもよさそうなのに、ならない。レプロが圧力をかけているにしても、手ぬるい。

 お互いに大きな争いを望んでいない様子なのである。

 そんな空気の中で、ひとりだけ空気を読まない男がいた。

 町山智浩である。

 能年にレプロの圧力ガー!と、例によって炎上したわけだが、実はこれって能年側の滝沢神崎夫婦ですら求めていなかったのではないか。援護射撃ではなく、誤爆でしかなかったとゆうか。

 速攻で山本一郎が町山に噛みつき、町山はこれに逆に炎上。

 「山本一郎の背後にレプロ本間社長がいる!」

 などと騒ぎ始めたが、その根拠は「山本がレプロ本間をツイッターでフォローしてるから」という情けないもの。

 そんなもんを根拠に発狂すんなよ……と呆れてしまった。

 そりゃ山本一郎の背後にレプロがいるのかもしらんが、彼はいつでも誰かに噛みついてるしなあ。それ全てが、誰かの依頼を受けてのものなの? 我々みたいな部外者が妄想をふくらませるには、もっと「根拠らしい根拠」が必要なのである。

 我々が宇宙人が地球侵略していると妄想するなら、せめて牛や豚の不自然な死体が欲しい。車にひかれた犬猫の死体をもってこられて、「これを宇宙人がやりました」などと証言されてもワクワクしないのである。

 そりゃ宇宙人だって軽自動車の運転して、犬猫をひいてしまうのかもしれんけど。

 もっとほら、キャトルミューテーションとか、ミステリーサークルとか、胸躍るそれらしいモノが欲しくなるじゃないすか。そんなネタがあるから、我々の妄想がふくらんでしまうわけで。

 ズリネタもないのにオナニーしろと強要されてるようで、全くそそられないわけである。根拠もないのに妄想ふくらませと、町山智浩に誘導されても困惑してしまう。

 後に山本一郎がネット総会屋みたいなことをしてるなどと暴かれ、町山の主張に現実味が増してきたが、あくまで最初は「レプロ本間をフォローしてる山本は怪しい」という根拠だった。

 結局、山本が滝沢神崎夫婦についてやんわり言及するも、町山はそれに乗らなかった(都合が悪いもんな)。最近では能年問題について言及することもなく、山本攻撃にご熱心である。

 まるで能年独立問題から話題をそらそうとしてるからのように。

 独立問題での不要な炎上を、レプロと能年の双方が望んでいない事を、遅まきながら町山も悟ったのだろうか? 放送作家町山広美(実妹)や芸能人の水道橋博士あたりから、事を荒立てるなと助言があったのかもしれない。

 結果として町山に自分自身を攻撃させることにより、レプロに火の手が届かないようにしている、山本一郎の戦術は改めて凄いのかもしれないと思った。自分を犠牲にして、レプロを守っているのだ。ネット総会屋というよりも、ネット人柱だ。

 「レプロを攻撃するなら、むしろ俺を攻撃しろ!」

 ……と、山本一郎は宣言しているかのようである。

 とりあえず町山智浩が発端になった能年独立による炎上は鎮火した。

 山本一郎の背後にレプロがいたかどうかはわからんが、とりあえず目的は達したわけである。狙いはあくまで、能年サイドの攻撃ではなく、事態の沈静化だったのだから。

 全身火だるまになって炎上中の山本、ネット総会屋もなんだか大変だよな。

 ギャラに見合わないのではないかという気がするけど。