性の悦びおじさん、死す
性の悦びおじさん、死す
https://twitter.com/tokyoufo/status/840576671090581504
性の悦びおじさんが死んだらしい。どうもマジで。電車の中で大声をあげたのを、乗客に注意されて逆ギレ。殴ることもしたらしい。三人がかりで取り押さえられたものの、病院内で死亡。死因は不明。たぶん脳か心臓だろうなあ。
彼の動画も見たことないが、危険な人物ではないのかとは思っていた。善人ではあるが、マトモではないよな。悪事を働くことはないだろうが、トラブルは起こしそうだ。かかわりたくないタイプ。
積極的に彼に話しかける人たちもいて、楽しくやってはいたらしい。
でも、それが逆に彼を殺してしまったのかもしれないなあ。
ネット内で有名になり、テレビにも出演するようになった彼は、いつの間にか自分の奇行キャラがすっかり皆のお気に入りだと錯覚してしまったのではないか。
彼の芸風や人格が、好きか嫌いかでいえば好きだ。かかわりたくはないが、電車内で見たら楽しみながら観察してしまうだろう。
だけど、そうは思わない人もいるのである。
電車内で騒がれたらうるさいから、注意する人もいるだろう。マナー違反なのだから、しかたない。悪いのは悦びおじさんなのだから。
肩をすくめて別の車両に移動し、いつもの調子で騒げばよかった。その車両の上客たちは、彼に好意的だったかもしれないし。
だけどいかんせん彼は奇人変人だし、マトモな判断が最初からできる人物ではなかったのかもしれない。テレビに出るようになって調子こき、「楽しませてやってるのに、意見するとはなんだ」くらいの鼻息は荒かったのかも。
結果として、性の悦びおじさんは逆ギレして殴ってしまった。
三人がかりで取り押さえたとあるから、かなり暴れたのだろう。暴力はいかんし、どこかで冷静にならなきゃいかんよな。
だが彼はそうしなかった。
皆が彼を好きだったのは、奇行はするが人畜無害で安全だったからだ。楽しませはするものの、迷惑をかけることはなかった。だけど彼はその一線を踏み越えてしまった。悦びおじさんだったのに、迷惑おじさんや、暴力おじさんになってしまったのである。
興奮しすぎて脳や心臓に負荷がかかり、死んでしまったのではないかと推測するが、もしかしたらいい引き際だったのかもしれない。彼は電車で騒ぐことをやめられないし、それを認めない誰かがまた注意しただろう。
そのたびに暴力をふるうようになったら、それはもう狂人である。
嫌われおじさんに堕ちてしまうのは、誰も見たくはなかったろう。そうなる前に消えたのだから、これはこれでハッピーエンドなのかもしれない。ひききながらも、面白い記憶だけを残してこの世を去ったのだから。
最近、「本当の優しさって何なのか?」と考えることが増えた。性の悦びおじさんのキャラを嫌ったりせず、受け入れてあげたのは優しい態度と考えてしまいがちだ。
だけどそれが彼を勘違いさせて、結果的に死なせてしまったのなら、それは本当の優しさではないのかもしれない。「キメぇおっさん」と嫌いながら放置しておけば、誰からも無視されながら元気に生きていたのかもしれない。皆から愛されて死ぬよりも、皆から無視されて生きる方が、幸せな人生ではないのか?
能年玲奈vsレプロのトラブルで能年に同情するのも同様だ。
一見、それは優しい態度に見えるが、能年のパワハラに耐えかねて辞めるマネージャーが続出したとも記事で読んだ。パワハラ女を甘やかしてはダメで、今の彼女に本当に必要な優しさは、正座させての説教なのかもしれないのである。
「のうねんちゃんをいじめるレプロはわるいやつ!」と逆上するのは心地よかろう。「女性の人権無視!」と燃える、自分の正義感は大好きなのかもしれない。でも、そんな彼らには能年玲奈や細川茂樹にパワハラされつづけたマネージャーのことなんてどうでもいいのだ。
マネージャーの人権なんて、彼らは認めないのである。
彼らにとってマネージャーとは、芸能人さまにご奉仕させていただく奴隷なのである。それもちょっとどうかと思うのだ。
と発言こそしないけれど、心の中でそう思ってるのだ。彼らは優しい自分が大好きなだけで、現実にはちっとも優しくないのである。能年さまのためなら、マネージャーごときは月給5万で奴隷やってろというブラック感覚なのだから。
性の悦びおじさんの死は、非常に2017年的なニュースだとは思う。
2015年はSTAP細胞、佐村河内、フルスロットル政治家と、記者会見がエンターテイメントと化して盛り上がった。
2016年はベッキー不倫、清原逮捕、SMAP解散とにぎやかに盛り上がった。それなりに深刻ではあったが、あまりのド派手な面白さに書き消されてしまった。
しかし2017年は金正男が暗殺されたり、性の悦びおじさんが死んだり、派手でにぎやかながらも、どこか重い事件が続く。
そんなニュースが続く年になるのではないだろうか。
2017年はそうゆう年になりそうである。