夫のちんぽが入らない

 「夫のちんぽが入らない」を読まずに言及するのもどうかと思うが、どうなのよこの本。タイトルのインパクトすごすぎなんで、ネットで話題になるだろう。ブログのネタにしたいんで、買って読む人も多かろう。ブログも書くだろうから、さらに話題にもなるだろうし。

 だけどリピーターの読者を獲得できるのだろうか?

 この本いいな。この作家いいな。次回作も読みたい。

 読者をそんな気分にさせる、本の力をもっているのだろうか?

 たぶん、ないだろうな。

 「妻のまんこが開かない」なんてタイトルの続編を年内に出版すれば、再びネットで話題になるだろう。ブログを書くために読んで、記事を投下するだろう。

 それで?

 それが何になるの?

 なんだか悩んでしまうわけである。

 目先のヒットは大事だ。だけど本を買ってくれた読者を満足させて、「次回作も読みたい」と思ってもらうのも大事だ。そうやってリピーター読者を100人ずつ獲得する作家が、10冊の本を出せばどうなるか?

 1000人のリピーター読者がいるわけだから、初版部数が1000部も増えるのだ。

 たかが1000部と侮るなかれ。

 出版不況の中で、この数字はデカい。

 ではタイトルのインパクトが凄すぎて思わず購入したものの、次回作を買う気になれなかったらどうなる? 読者を100人ずつ失っているのだから、10冊出したら1000人の読者を失ってしまう。初版部数を1000部削られ、そんなマヌケは11冊めの本は出せても、12冊めの本は出せないだろう。

 それが5年後か、10年後かはわからないが、その作家は出版業界から消えるのだ。

 タイトル勝負の出落ち芸みたいなことしてたら、マズいんでないの?

 仕事のないおっさんライターが、タイトルでヒットした書籍に嫉妬しながら、「あのブドウは酸っぱい」と自分に言い訳してるだけなのかもしれない。

 自分では認めたくないけれど、うらやましかったり焦ったりしてるのかもしれない。だってさあ、仕事ないんだもん。うろたえたりもするわな。

 なんだか急にネットの住民の全ての人たちから批判されそうなプレッシャーを感じて、動揺してしまった(笑)。

 書籍のタイトルは大事に決まってるけど、少部数でも良質な本を書いて100人のリピーター読者を獲得できる作家なら、幸せな未来が待ってるかもしれないよと言いたかったわけである。

 ま、自分は刊行予定がないから、全く関係ないのだけれども。なんだか自分に言い聞かせる内容ですらないってのも、なんだか悲しい話だよなあ。雪が降りそうな、2017年東京の寒さが、身体と心を冷やしてくよねえ。

 とりあえずインパクトのあるタイトルでも考えようかな。「菜乃花にちんぽが入れられない」とか。そりゃグラドルちゃんにチンコ挿入できるわけないっぺよ。自分以外の誰かは、挿れてんだろうけど。

 

 * 追伸 *

 菜乃花ちゃんの黒ひもビキニをご堪能ください。週刊誌でちょくちょく見かけるコだよ。