逃げ恥でガッキーは星野源とセックスしていない件

 2016年に高視聴率だったドラマ、「逃げるは恥だが役にたつ」。タイトルとしてどうなの? 内容と関係ないじゃん。逃げ恥というタイトルから、内容が想像できないじゃん。タイトルから、ウルトラ奥手な男にムズキュンするラブコメと悟れって無理じゃん。

 ムズキュンがウリなのだから、タイトルもそれにちなんだものにすべき。そのほうがわかりやすい。私ならそうだな……「むずキュン男」にするな。奥手男性にムズキュンするラブコメって物語が、わかりやすく伝わるから。

 ……って、そんなタイトルじゃヒットするわけないだろ。

 海外のバカ映画を叶井俊太郎が買いつけて、日本でリリースした時の映画タイトルみたいだもんな。「30歳の童貞男」とか、「悪魔の毒々モンスター」とか、その文脈でしょう。「むずキュン男」。

 企画内容がわかりやすく伝わるタイトルならいいのかといえば、違うというごく簡単なことに気づいた2017年の冬でしたな。正月太りした肉体には、いい勉強になりましたよ。

 流行にうとい男なので、逃げ恥を見たのはラストの3回くらい。あることが気になって注意して見ていたのだが、ガッキーは星野源とセックスしてないという解釈も全然できますよ。というのもドラマ中でガッキーは「セックス」や「エッチ」という言葉を使っていないのだ。

 あくまで「そうゆうことをしてもいい」「いたす」と言ってるだけなのである。

 そうゆうことが何なのか、何をいたしたのかは、視聴者の想像に任されているのだ。セックスシーンらしきものはあるが、お人形さんが登場してガッキーと星野のセリフがかぶるだけ。セックスしてるセリフと解釈もできるが、プレステしてるだけとも解釈できるのである。

 いましたね! 押尾学と朝までプレステしてましたと、強引な理屈をこねたアイドルが! 安倍なつみのことに決まってますけど。

 ガッキーはドラマの中で、セックスやエッチと言えなかったのは何故なのか? 原作ではそうだからとか、地上波ドラマでは無理とか、女性や子供に配慮したとか、ガッキー本人と事務所が嫌がったとか、理由は色々と考えられる。

 しかし今もTVドラマでは、セックスとエッチを好感度の高い女性タレントが口にするのは、いまだにアウトなのではないのだろうか? 他のドラマをチェックしてないから、なんとも言えないんだけども。さすがにアラフォー女優ばかりが登場する、不倫ドラマでセックスやエッチと女優が言わないのは、不自然だけども。

 アラサーとはいえ20代の女性芸能人が、いまだラブコメでは「いたす」「そうゆうことをしてもいい」としか言えないという規制がかかってるのは驚きだったなあ。だってガッキーも女友達どうしでその種の話題になった時に、セックスだのエッチだの言ってるだろうし。ドラマ放映時は2016年の冬だというのにね。

 女性が男を性行為に誘う時に、セックスやエッチという言葉を使わないのだろうか? 使ってなさそうな気がするな。そもそも自分から明確に誘うことはなさそうだし、自分から言葉にして誘うのは言質をとられて自己責任が発生しそうだから、女性は嫌がりそうだ。

 てことはガッキーが自分からセックスに誘いつつも、セックスやエッチという言葉を使わないのはリアルな表現ということなのか……。今時の女子の現状を知らんので、想像しながら理屈をこねるしかないわけだが。

 つい思い出してしまうのは、1991年に放映された東京ラブストーリーだ。鈴木保奈美が鈴木洋介に言う「セックスしよ」というセリフが当時かなり話題になった。インパクトあったのだ。それから25年がすぎたが、いまだガッキーは「セックスしよ」と男に言えないでいる。

 1991年よりも、2016年の女性のほうがはるかにユルユルのガバガバなのにね。

 現状はどんどん進んでいるのに、TVドラマは進むどころか25年よりもさらに昔の状態に逆行している。

 それってどうかと思うよな。